就Aの内部事情

就労継続支援A型(就Aと略)という雇用型の障がい者施設に2年ほど通いました。B型とは違って最低賃金が出るので、金銭面ではかなり余裕ができました。大好きなマックに月2回ほど通ったり。iPhone 8を買えたのもそのおかげです。

最初のうちは作業もそんなにハイペースではなかったのですが、役所の監査指導が入ったあたりから雲行きが怪しくなっていきました。

役所からは作業の単価を上げていくように求められたそうです。今よりも業務内容を改善していくように、もっと言うと収益を増やすように言われるようです。

そして時間が経つにつれて、段々とA型経営の厳しい現状を知りました。

A型施設は障がい者ひとりについて補助金が国から出るのですが、その国からは補助金障がい者の人の給料に回すことを禁止されています。つまり、作業などで得た収入を障がい者の賃金にするように言われるのです。

普通のことなんじゃない? と思われるかもしれません。やっている仕事が一般の会社と同じならそうですが、軽作業、もっと言うと内職を仕事内容にしているところもあるのです。

単純に考えたら、月8万ほどの賃金をメンバーの数だけ出そうと思ったら、月に100万以上内職などで稼がなければいけません。そしてそんな内職はあるはずがないんです。

──にもかかわらず、国は内職などの利益でメンバーの賃金を出せ。補助金は賃金に回すなと言っています。

 

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こういったことをできているA型は実は少数派だったりします。まだまだ多数の事業所が賃金を賄えるような利益を出せていません。

でも、国は、できているところがあるのだから、間違ってはいないと、方針を変えるつもりはないようです。

それで結局何が起こるか。当然少しでも利益を出すために作業量が増えます。単価を上げるために難しめの作業に変更になったりもするでしょう。そうしてしわ寄せが障がい者のほうに回ることになるのです。ノルマが多くなり、成果を求められ、いつの間にか福祉施設ではなく一般企業と同じような土台で利益を上げるよう迫られるようになります。

一般企業でならそれもありかもしれませんが。就Aも障がい福祉施設のはずなんです。そのために補助金が出ているのに。国が作った妙な政策のせいで、肝心な働くための訓練が二の次になっている気がします。事業所は障がい福祉施設ですが、経営は会社がしていて、利益が必要というおかしな実態に。

これではB型の人はなかなかA型には移れませんし、A型で挫折する障がい者も出てきます。僕が行っていたところは、スタッフが始終ピリピリしていて、とても雰囲気が悪かったです。障がい者への虐待とも紙一重で、それが国の政策によって引き起こされているという具合になっていました。

多分そのへんのところは厚生労働省はこの先もずっと知らないでしょう。何せ政策を作っているのが障がい者のことを知らない健常者ばかりなわけですし。

就Aの中で障がい者へのハラスメントが行われている場合があるとしても、全く気付くこともないと思います。

肝心なところで実は国は味方ではないということを知り、呆れてきます。

就Aでしんどい思いをしている障がい者が他にいなければいいのですが。